第17回SDGsオープンラボ:成長戦略読み込み会議~急成長分野を具体的に見てみよう!
皆さん、こんにちは。トランスコスモス株式会社 公共政策本部 兼 SDGs委員会の小野倫太郎です。
今回は、7月5日(月)にオンライン形式で開催された、SDGsオープンラボの2021年度第17回について報告いたします。(81名の社員が参加)
今回のテーマは「成長戦略読み込み会議~急成長分野を具体的に見てみよう!」です。
毎年6月~7月ごろ、政府において、「経済財政運営と改革の基本方針」いわゆる骨太の方針、成長戦略実行計画など様々な政府の方針・計画が閣議決定されます。
これを基に翌年の予算が作成されます。重要な政策などは骨太の方針に項目を入れることで、予算が付き、実行されることが可能になります。逆に言えば、骨太の方針に入らない政策は、基本的には予算がつくことはなく、実行されることが難しくなります。
したがって、この骨太の方針を議論する与党の会議では、多くの国会議員が会議に出席し、自分のやりたい政策を骨太の方針に入れてもらうよう発言する場面が見られます。
↑2015年6月自民党政調全体会議より
本年6月18日に閣議決定された方針・計画
・経済財政運営と改革の基本方針2021(骨太の方針)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2021/decision0618.html
・成長戦略実行計画・成長戦略フォローアップ
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/seicho/index.html
・まち・ひと・しごと創生基本方針2021
https://www.chisou.go.jp/sousei/info/#an20
・規制改革実施計画
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/p_index.html
・「デジタル社会の実現に向けた重点計画」
https://www.digital.go.jp/posts/ZlptjPro
今回は、「経済財政運営と改革の基本方針2021」「成長戦略実行計画」の主な内容について、公共政策本部の太田智士さん、タキザワさん、小野の3名で説明いたしました。今回の骨太の方針は、グリーン、デジタル、活力ある地方創り、少子化対策という4つの柱があります。
最初に、太田さんから、予算編成のスケジュールについて説明しました。国と地方とで若干の時差があり、国の方針に基づき、自治体が予算編成の方針を決定するので、国の方針を先取りすることで自治体と一緒に予算をつくることが可能になります。
次に、デジタルについて、成長戦略実行計画に掲載されている主な項目について、説明いたしました。特に、9月1日に発足したデジタル庁を中心としたデジタル化は、自治体においても大きな課題となっており、すでに対応の依頼もいただいているところでもあります。社会課題の解決がビジネスチャンスにもつながる事案となるので、これからも特に注視すべき政策分野の一つです。
次に、タキザワさんから、グリーンについて説明いたしました。
まず、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現について、用語や国際的な課題となっている背景についての説明がありました。
成長戦略の「第3章グリーン分野の成長」について、分野別の事例の中で、成長が見込める「洋上風力」、「自動車・蓄電池産業」を挙げて、説明をいたしました。
「第4章 グリーン成長戦略に向けた新たな投資の実現」については、項目のアウトラインを挙げて、簡単に説明いたしました。
最後に、小野から地方創生・少子化対策について、キーワードを挙げて説明いたしました。
地方創生の分野については、観光、農業など幅広い分野が盛り込まれていること、少子化対策の項目では、人への投資や成長戦略には記載がなく、骨太の方針に記載されている重要な課題となっている児童虐待、孤独・孤立対策などについても説明いたしました。
今回は、SDGs目標の7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに、8:働きがいも経済成長も、9:産業と技術革新の基盤をつくろう、10:人や国の不平等をなくそう、11:住み続けられるまちづくりを、13:気候変動に具体的な対策を に関わる内容について学びました。
成長戦略・骨太の方針には、今後の重要となる政策課題についての記載があり、それに基づき予算も重点的に配分されることが予想されます。国や地方自治体だけでなく、民間でもこれからのトレンドを掴む意味でも大変大事な資料となります。まず、骨太の方針をお読みいただき、それぞれ役立てていきましょう!