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医療現場が抱える社会課題解決に貢献!〜神奈川県 救急医療相談事業(#7119)のDXに参画〜

みなさん、こんにちは!

突然ですが、救急医療相談事業(#7119)をご存知ですか?
#7119のダイヤルは、緊急時に救急車を呼ぶべきか迷ったときや、医療機関を受診すべきかの判断に困ったときに、電話で相談できるサービスです。専門の看護師や医師が症状に応じた適切なアドバイスを提供し、受診する医療機関や救急車を呼ぶべきかどうかを判断する手助けをしてくれます。
 
トランスコスモスは、神奈川県における救急医療相談事業(#7119)のプラットフォームを構築しました。救急医療相談のシステムやインフラを整備し、地域住民が24時間体制で医療に関する相談を迅速に受けられる環境をサポートしています。


逼迫した救急医療体制を改善する#7119相談窓口

近年では、高齢化の進展や、緊急性のない出動要請によって救急車の出動件数が増加しており、医療現場が逼迫する一因になっています。また、救急車の出動件数が増えると救急車が現場に到着するまでの時間が増加し、患者が重篤化してしまうという問題もあります。

さらに、2024年4月から医師の働き方改革のために勤務医の残業時間に上限が設けられたため、病院の救急医療体制が縮小してしまうことが懸念されていました。

そこで、神奈川県では充実した救急医療提供体制を維持するため、救急車の適正利用をサポートするべく、救急医療相談事業(#7119)を全県で利用できるよう取り組みを開始。2016年から横浜市域で実施している#7119相談窓口を、県が主体となって全県で展開することを目指しました。医師の働き方改革にともなって、#7119のサービス拡充を進めるとともに、県民に対して救急医療の適正な利用方法および上手な医療のかかり方の周知も開始しました。

緊急時に県民が的確な案内を受けやすいシステムを設計

トランスコスモスは、本事業でのシステム開発に携わりました。顧客情報管理システムを活用し、救急相談者や相談内容の記録、医療機関の検索・案内、そして救急医療相談時のアルゴリズムによる診断を行うためのシステムを構築。緊急時の相談窓口と、適切な医療を受けるための医療機関相談窓口の開設を実現しました。また、県民と医療機関に向けたWebサイトも制作しています。

統合システムの全体概要


救急相談システムでは、サービス利用者が相談しやすいようオペレーター相談とLINE相談のどちらにも対応し、必要事項の聞き取りをもとに、共通の救急医療相談データベースを活用して相談者へ回答。LINE相談の場合、途中でオペレーターへの相談に切り替えることも可能です。

医療機関案内システムでは、オペレーター相談とLINE・WEB相談ともに、受診希望の住所(地区)や受診科目などの必要事項を聞き取り、適切な受診機関を案内。市区町村の境であったり、交通の利便性の考慮により希望の医療機関が見つからなかったりした場合、範囲を拡大して検索案内します。Web画面ではYahooやGoogleのマップと連携することで、県民専用のわかりやすいユーザーインターフェースを提供。LINEチャネルへの対応や他のシステムとの連携など、さらなるサービスの拡充を想定して取り組みました。

医療アクセスを適正化し、医療従事者の業務負担を軽減

本事業では、過去の開発経験を生かし、サービス利用者とオペレーター双方の視点で利用しやすいシステムをコンセプトに設計しました。さらに将来的に119番緊急通報やオンライン診療などと連携することを視野に入れ、一元管理しやすいシステムを構築しています。

#7119相談窓口のサービス拡充によって、急な怪我や病気のとき、また救急車を呼んだ方が良いか判断を迷ったときに、リアルタイムで相談できるようになりました。そして救急車が適切なタイミングで出動できる土台が出来上がっています。

これにより、利用者は迅速に専門家から適切なアドバイスが受けられ、緊急性の高い患者には救急医療が行き届くという、医療アクセスの適正化につながっています。

また、救急隊員の出動体制が効率化されて人員の配置がスムーズになり、医療現場全体の負担が軽減されています。

トランスコスモスのDXソリューションは医師の働き方改革を推進することで、医療提供体制のサステナビリティという社会課題の解決に役立っています。

【参考・関連サイト】

https://www.pref.kanagawa.jp/documents/107977/07.pdf

https://www.fdma.go.jp/mission/enrichment/appropriate/appropriate007.html


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