[interview] 事業成長と切っても切れない“働きがい”。従業員エンゲージメントから見えるもの #目標8【前編】
みなさん、こんにちは!
「トランスコスモスSDGs委員会オープン社内報」編集部のs子です。
さて、今回も会社のSDGsの取り組みや変遷について聞いてみたいと思います!今日のテーマは、「従業員エンゲージメント」。お話を伺うのは、取締役 副社長執行役員の神谷健志さんです。
神谷健志/副社長執行役員
トランスコスモス株式会社 取締役 副社長執行役員。大学卒業後、エンジニアとしてNTTコミュニケーションズに入社。MBAを取得した後、外資系コンサルティングファームBain& Companyに参画したのち、2015年にトランスコスモス入社。経営戦略本部長として全社中期事業計画の策定をリードすると共に、グローバルEC事業担当として国内外のEC事業の推進に当たる。2020年、取締役副社長執行役員就任。
エンゲージメント向上から始まるイノベーション
s子
様々な職種を経てきた経歴から、トランスコスモスの特徴はどんなところにありますか?
神谷
入社したきっかけでもあるのですが、「ずっと成長し続けていること」と、「海外でしっかり根を張っているということ」ですね。この日本市場において、成長し続けている会社というのは、実はあまりないんですよね。日本のサービス業は生産性が低いと言われていますが、それをグローバルに展開するというチャレンジができる稀有な会社だと思っています。加えて、オーナー会社であることの「意思決定の速さ」も魅力だと思います。
s子
「成長し続ける」に関しては、SDGsの目標のひとつである「働きがいも経済成長も」に関わってきますが、今回、従業員エンゲージメント調査を行ったきっかけでもありますか?
神谷
そうですね。いろいろありますが、やはり「退職」に関して対策していかなければいけないというのが一番の理由。退職理由として給料がよくあげられますが、実際は給料だけのために働いているわけではないはず。デジタルマーケティング業界の課題でもあるのですが、従業員のモチベーションややりがいは、日頃の業務のなかでは意外と分からないんですよね。そこで、きちんと可視化するために調査を行うことにしました。
というのも、僕が入社した当初から社長が言われていたのは、この会社は成長はしているけど利益率が上がらないということ。利益を上げるには、ビジネスモデルを変える必要があります。また、トランスコスモスは今3000数百億円の規模で従業員は6万人いますが、ここから1兆円を目指すとなったら、今のビジネスモデルだと18万人とかを雇う必要があります。でも、そんなことは実際は無理ですよね。売上成長も、ビジネスモデルを変えるにも、ここに集う人の動きが変わらないとそれは不可能だと思ったわけです。
s子
優秀な人材を確保するために必要だったということですね。
神谷
そうですね。優秀な人、やる気のある人、活躍できる人が集まり、ちゃんと定着する場を作ために必要な調査で、それをなくしては会社の成長は見込めないんです。高収益のビジネスモデルを作ることと、そういう人たちが会社に残るというのは完全に一致していますから。
こういう人たちの濃度が上がってくると、お客様企業との関係性が変わってきます。お客様企業のエンゲージメントと、従業員のエンゲージメントは密接に関係しています。つまり、満足している従業員は必ずお客様企業を満足させることができるということ。そうすると、お客様企業はずっと我々のサービスを買ってくれますから、ここも絶対に切っても切れないものです。
だから、新しいイノベーションを起こしてビジネスモデルを変えることと、お客様企業とのエンゲージメントを高めることと、従業員のエンゲージメントは、3つがセットになって進んで行くものなのです。
大切なのは、What(何を)How(どの様に) に加えてWhy(なぜ) の共有
s子
ところでエンゲージメントを測るのは難しそうですが、どのような調査を行ったのですか?
神谷
結構シンプルで、ベースは2つの質問です。
・自社を働く場所として、友達や知り合いにすすめたいですか?
・自社のサービスを、お客様企業や知り合いにすすめたいですか?
0点〜10点で評価してもらい、それぞれすすめたい理由とすすめられない理由、そして何が必要かについても聞きました。ただ、今回は数千人に調査したので、全部をフリーテキストで集計するのは大変なので、選択肢も用意しました。
s子
そこからどんなことが見えてきましたか?
神谷
予想していた部分ではあるのですが、ひとつは役職のレイヤー間の差でした。役員と現場でかなり違う結果に。
高山
現場と役員で違うというのは、具体的にはどんな差があったのですか?
神谷
満足度調査が役員と現場でかなり違う結果になりました。経営や会社の考えていることに対する理解や経営方針、そして納得感において、やはり役員は高くて現場は低いという結果になるのです。
高山
なぜ、そんなことになるのでしょうか。
神谷
やはり社長の発するメッセージを近くで直接聞いている人と、間接的に知るのでは差が出てしまうようです。現場に近くなればなるほど、社長が考える新しい世界や次のことに挑戦していこうという話よりも、目の前の数字がリアルなわけで。でも本来は、現場で変化が起きないと我々は変われない。遠い分削ぎ落とされてしまうので、ちゃんと伝えないとちゃんと伝わらないということを改めて痛感しました。
僕個人的には、会社のビジョンや理念はとても大切だと思っています。SDGsへの取り組みとも繋がると思うのですが、社会のなかでトランスコスモスはどういう会社?というときに、共感して働くのと、そうでないのには大きな違いがあると思います。
よく、会社のことを説明するときには、何をするか(What) とどのようにするのか(How)で表現されますが、実は一番大切なのはWhyの部分だと聞いたことがあります。「会社はなぜこれをするのか」を、ちゃんと説明できないと、これからの人はついてきませんよ、という話だったのですが、まさにそうだと思いましたね。そしてこの「なぜ」は、伝えているようで伝わってない部分でもあるんです。
高山
「なぜ」の共有、とても大切ですね!noteオープン社内報も、社員の皆さんの「なぜ」に応えていけるにしていきたいですね。