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第11回SDGsオープンラボ:家族のあり方から考える多様性と持続可能な社会 ~家族イノベーション #目標1 #目標5 【後編】

●前編はコチラ

家族が担ってきた9つの機能

石山アンジュさん:
とは言え、全く価値観の異なる多様な家族を支える社会をどうやって作るのか、実際難しいと感じてしまいますよね。

それに対して、実はこの「家族」というものは、機能を分解したらテクノロジーや価値観のアップデートによって代替できることに気付きました。

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例えば性的機能や生殖機能でいうと、パートナーのいない親や子供を持たない夫婦、非摘出子(法律上の婚姻関係がない男女の間に生まれた子ども)の割合も増加しています。扶養機能でいうと、家事も子育ても介護も代行することができ、教育機能もインターネットやYouTubeなどの多様なツールがありますよね。

これら家族機能の代替についてもそうですが、そもそも幸せの象徴とされる昭和平成の家族モデルという概念に縛られず、一人ひとりが自分にとって理想の家族像を描き、その選択によって批判されたり不利な扱いを受けたりすることがないように、もっとフラットに多様な幸福や家族のあり方が認められる価値観の醸成というものが社会全体で必要になっていると思います。

社会のために存在する家族から、「家族」のために存在する社会へ

では、現在の社会をどんな視点から何を切り口として変えていかなければいけないのでしょうか?

私は2つの視点があると考えていて、1つは社会のために存在する家族から、「家族」のために存在する社会へ変えていかなければいけないということです。

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これまでの社会制度は、家族を「父・母・子供」という画一的なモデルに収めることで効率性を追求してきました。でも、本来は多様な家族を支える側が国であり社会であるべきだと思いませんか?

2つめは、「普通の家族」というスタンダードがない状態をスタンダードにするという視点です。「普通の家族」というものを定義してしまうと、定義から漏れてしまう人は取り残されてしまう。これはSDGsの原則である「誰ひとり取り残さない」という形ではないですよね。

そう考えると、「スタンダードってそもそも定義する必要がないんじゃない?スタンダードの定義がない、これ自体をスタンダードとするべきだよね?」というマインドシフトが求められていると思います。

最後に、こういった視点でのポリシーアイディアがワークショップで出てきました。皆さんはどう思いますか?

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以上、石山アンジュさんの講演をお届けしました!

参考記事:Public Meets Innovation、ミレニアル世代による提言書 #ミレニアル政策ペーパーを公表。 第一弾は「昭和平成の家族モデルを超えた、 多様な幸せを支える社会のかたち」
https://note.com/pmi/n/neadd1c193349

1)ミレニアル政策ペーパー公開シリーズ(前編) 〜ミレニアル世代の違和感から見えてきた家族への提言〜
https://note.com/pmi/n/nb75c41c43cc5

(中編)
https://note.com/pmi/n/n00a0f0794124

(後編)
https://note.com/pmi/n/n251f800fef82

今後も様々な講師の方をお迎えし、オープンラボを盛り上げていきます!

END

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