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コールセンターでの”カスハラ”を防ぎ、企業の持続的な成長を支援

過剰な要求や悪質なクレームなどを指す、カスタマーハラスメント(以下、カスハラ)。厚生労働省が従業員をカスハラから守る対策を行うよう、企業に義務付ける方針を示したこともあり、注目されている方もいるのではないでしょうか。カスハラの放置は、カスハラを受けた従業員のストレスになるだけではなく、企業全体の損失になるケースも少なくありません。

今回は、カスハラを防ぎ、消費者と企業の関係を良好に保つためのトランスコスモスのソリューションをご紹介します!


改めて確認する「カスタマーハラスメント」とは

「カスタマーハラスメント」とは、お客様、取引先等からの不当・悪質なクレームのことです。本来、商品やサービスに対するクレーム・苦情は悪いものではありません。商品や接客態度、システムなどに対する消費者からの不満は、業務改善につながりますし、新たな商品やサービスの開発に役立つ有益なものだからです。
 
ところが、消費者からのクレームの中には、過剰なサービスを要求するものや、不当な言いがかり、従業員の心身を傷つける対応などがあります。そうした理不尽なクレームが「カスタマーハラスメント」と呼ばれています。 

知り合いも被害者かも?もはや他人事ではない社会問題

PwCコンサルティング合同会社が2024年1月に実施した「令和5年度 厚生労働省委託事業 職場のハラスメントに関する実態調査報告書」によると、過去3年間に勤務先でカスハラを一度以上経験した人の割合は、10.8%。つまり、10人に1人以上の方がカスハラに該当するような、顧客等からの著しい迷惑行為を経験したことがあるということがわかっています。損害や被害の内容としては、「通常業務の遂行への悪影響」(63.4%)が最も多く、次いで「労働者の意欲・エンゲージメントの低下」(61.3%)が挙げられました。
 
一方で、カスハラの予防・解決のための取り組みを進める上での課題として、「迷惑行為と正当なクレームや要求とを区別する明確な判断基準を設けることが難しい」(25.9%)という回答がありました。
 
このように、カスハラは従業員に過度なストレスがかかり、通常の業務を圧迫するなどの実害を伴った深刻な社会問題であるにも関わらず、具体的な対策が難しいため、従業員を守るための対応が喫緊の課題となっています。

”カスハラ”が多いコールセンターは、実は企業の重要部署

前述の調査では、「生活関連サービス業、娯楽業」「医療、福祉」などの顧客との接点が多い業種において、「迷惑行為に対応する従業員等の精神的なケアが難しい」という回答がそれぞれ32.5%と、全体(20.4%)と比較して多くなっています。
 
中でも、コールセンターは、カスハラが多い業種の一つ。
実はコールセンターは、クレーム対応のみならず、様々な形でお客様との接点を作り、コミュニケーションを図っていることをご存知でしょうか?
コールセンターでは、例えば下記のような業務を行っています。

【コールセンターの業務内容】
・クレーム対応:消費者からクレームが寄せられたり、問題が発見されたりした場合、原因を調査し、解決策をお客様企業へ提案
・問い合わせ対応:顧客からのさまざまな疑問に対して、情報を提供
・技術的なサポート:製品サービスのトラブルシューティングや解決策の提供
・市場調査:消費者ニーズや市場動向を把握するためのデータ収集
・セールス:電話やメールで商品の販売促進を行うテレマーケティングなどの実施
・オーダー処理など:注文や申し込みの受け付け、データ入力などの各種手続き
 
さらに、業務未経験者や学生などを幅広く採用しているコールセンターも多く、地域の雇用活性化にも貢献。多くの人が働くコールセンターは、企業の持続的な成長を支えながら、地域の雇用を創出するなど、重要な役割を担っています。
 
しかし、時には暴言を伴うような激しいカスハラに晒(さら)されてしまうこともあり、企業が十分にカスハラ対策をしなければならない業種でもあります。

カスハラをいち早く検知する「trans-DX for Support」

お客様との最適な接点を作り、企業の持続的な成長を目指すためには、企業がコールセンターのスタッフをカスハラから守り、安全・安心な労働環境を構築することが必要不可欠。トランスコスモスでは、「trans-DX for Support」というサービスを展開し、コールセンターのスタッフが安心して働ける環境を提供しています。
 
「trans-DX for Support」では、トランスコスモスの長年にわたるコールセンター運用の知見に加え、生成AIを活用。電話対応中に音声を自動解析し、感情分析を行うことで、カスハラが発生すればリアルタイムで検知できます。
カスハラが発生した際には、管理者が迅速にスタッフのサポートに入ったり、通話を終了したりするなどの方法で対応。カスハラからスタッフを守り、ストレスの少ない職場環境を実現します。

お客様はより使いやすく、スタッフはより働きやすく

「trans-DX for Support」の活用で、様々なメリットが生まれています。
 
お客様は、チャットボットや適切な答えが得られるサイトへの誘導によって、待機時間が短縮できます。時間や場所を問わず、好きな時に問い合わせることができ、自己解決できるケースも増えるため、待たされるストレスが緩和。結果として、お客様の満足度が向上し、カスハラの発生抑制につながっています。
 
コールセンターのスタッフ側の視点では、電話対応だけではなく、有人チャットでの対応件数が増加。音声ではなくテキスト入力での問い合わせは、攻撃的な言葉が使いにくくなるため、スタッフの心理的な負担が減少。botによる自動回答も併用することで同時に複数のお客様に対応でき、運用効率も向上しています。
 
trans-DX for Supportを通じてコールセンタースタッフの安全と安心を確保しながら、お客様企業と消費者の最適なコミュニケーションやCXを向上。コールセンタースタッフが働きやすい環境を提供し、お客様企業が良いサービスを受けられ、社会全体が健全に成長していくこと。これらは私たちのWell-beingの実現にもつながっていきます。
 
これからもトランスコスモスでは、人とテクノロジーの力で、事業を通じて社会に多様なソーシャルインパクトを生み出していきたいと考えています。


【出典/参照記事リンク】

・カスハラ対策、企業に義務化へ 「マニュアル整備を」 厚労省検討会

・「令和5年度 厚生労働省委託事業 職場のハラスメントに関する実態調査報告書」https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001256079.pdf

・【厚労省】顧客等からの著しい迷惑行為(いわゆるカスタマーハラスメント)について


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!