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シリーズ「SDGsの基礎を学ぼう」~ゴール12:つくる責任、つかう責任~

こんにちは。トランスコスモス株式会社 DEC統括 兼 トランスコスモスSDGs委員会 編集員のナリタカです。
今回の記事はシリーズ「SDGsの基礎を学ぼう」~つくる責任、つかう責任(ゴール12)編~をお届けします。

この目標は、モノを作ったり、使ったり、捨てたりするときに、持続可能性への配慮を求めるもので、大きく以下の3つのキーワードに分けられます。

① 天然資源の効率的な活用
② フードロスの削減
③ 環境問題

1つずつ簡単に説明していきます。

① 天然資源の効率的な活用

私たちの身の回りにあるモノや、日々食べている食料、便利な生活を支える石油やガスなど、あまりにも当たり前に存在しているため無限に湧いて出てくるような気になってしまいますが、もちろん限りはあります。

私たちが今のペースで消費を続けるとすると、数十年後には「地球が何個あっても足りない」
状況になると懸念されています。

そのため、こうした天然資源を今よりももっと効率的に使えるようにしよう、というのが1番目のキーワードの中身です。

② フードロスの削減

これは最近TVやCMでも良く目にするようになりましたのでご存じの方も多いかも知れませんが、「本来なら食べられる食品を捨ててしまう」ことです。

驚くべきことに、世界で作られた食料のうち、なんと3分の1が食べられることなく捨てられています。一方、世界では約9人に1人が栄養不足に苦しんでいるとされています。
※農林水産省HP:食品ロスの現状を知る
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2010/spe1_01.html

放置できない不平等が発生しているのと同時に、ごみを処理するのには大量の二酸化炭素が必要なので、地球温暖化に繋がるだけでなく、①で述べたような貴重な天然資源を無駄に使ってしまっているということにもなります。

こちらも先送りにできない課題です。

③ 環境問題

これは様々ありますが、簡単に言うと「ごみによる環境汚染を食い止めよう」ということです。最近は特に海に出てしまったプラスチックごみによる海洋汚染が深刻化しています。

そのほかにも、いわゆる産業廃棄物が原因で人体に害をあたえてしまう公害問題や、キーワード②で述べた、ごみを処理する際に発生してしまう二酸化炭素による地球温暖化も大きな問題です。

企業や個人が、ルールに従って適切にごみを捨てること、ごみの総量を減らすためのリサイクルなどが求められています。


以上3つの大きなキーワードがありますが、今回はプラスチックごみについて少し補足してみようと思います。

そもそもプラスチックとはいったい何か、考えたことがある人はあまり多くないのではないかと思います。

プラスチックとは、日本語では合成樹脂と呼ばれています。

ここでいう「合成」は「人工的に作れられた」という意味でおおまかに捉えていただいて大丈夫です。

樹脂とは「樹木からとれる脂」で、熱を加えると柔らかくなる、という性質をもっています。
つまりプラスチックとは「人工的に作られた、熱を加えると柔らかくなる物質」といえます。
とても加工・造型がしやすく、軽くて丈夫な物質です。

プラスチックが生活の場に登場してきたのは日本でいうと明治時代の始まりくらいといわれています。
第二次世界大戦で世界的に金属が不足したことを一つのきっかけとして、爆発的に世の中に広がったプラスチックは、今では1日の中でプラスチックに触れない日はないくらい、私たちの身の回りにあふれかえっています。

そんな便利なプラスチックですが、その性質に一つの大きな問題があります。
それは、原料が石油であることです。

石油でできたプラスチックは自然に還ることができません。
自然界に出てしまったプラスチックは、直径5mm以下の非常に細かな「マイクロプラスチック」という粒子になり、海に蓄積していきます。
そして、海洋生物が知らずに体内に取り込んでしまいます。

「海を汚す」「海洋生物の健康を害する」だけでも大きな問題ですが、それだけでなく、「海洋生物を通じてその汚染が私たちの体に還ってくる」ことが大きく懸念されています。

その危険度については様々な研究があるので一概には言えませんが、プラスチックごみも、プラスチックごみ問題も、放置する訳にはいかないようです。

とても便利で快適な私たちの生活。
その裏では、毎日食べきれないほどの量の食料が生産され、捨てられています。
このままのペースで消費を続けると、いずれ資源がなくなり、残り少ない資源を争うようになるかも知れません。
大量のごみが環境に悪影響を与え、結果として私たちに戻ってきています。

その状況を食い止めるため、モノをつくったり、つかったりする私たちが、他ならぬ私たち自身の持続可能性に対してもっと責任をもっていこう。
というのがSDGsのゴール12「つくる責任、つかう責任」が求めていることです。

身の回りのものが、どこから来て、どこへ行くのか。
それを考えてみることが始まりかも知れません。

SDGsのすべての目標に対して言えることですが、その課題を理解した上で、自分達が提供している、あるいは提供ができそうなサービスを通じてその課題を解決できないか、という視点が、SDGs時代の企業の基本姿勢として必要になっています。

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