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高山智司事務局長×森本英香氏 〜新しい価値創造の時代に、持続可能な社会実現について〜 【後編】

●前編はコチラ

2040年にむけ「ローカルSDGs」ビジネスに注目

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高山
森本さんがよく講演などでキーワードに出される「ローカルSDGs」の考え方は、非常に興味深いなと思っていて、これは「地域」もポイントなのかと思っているのですがいかがですか?

森本
そうですね。環境省でも「地域循環共生圏」(※)というのを提唱しているのですが、これが結構、共感を得ておりまして。

(※)各地域が美しい自然景観等の地域資源を最大限活用しながら自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合うことにより、地域の活力が最大限に発揮されることを目指す考え方のこと。農山漁村も都市も活かす、我が国の地域の活力を最大限に発揮する構想であり、その創造によりSDGsやSociety5.0の実現にもつながる。「地域循環共生圏」の創造による持続可能な地域づくりを通じて、環境で地方を元気にするとともに、持続可能な循環共生型の社会の構築を目指す。http://chiikijunkan.env.go.jp/

コロナの影響もあると思うのですが、不測のリスクに備えてある程度地域が自立したコミュニティをしっかり作っておかないとだめだよね、となったんですよね。今までみたいに東京中心の社会だけではなく、分散型の社会が重要だと。そのためには、地域の資源にもっと着目しましょうと。それはエネルギーであったり、あるいは公的な資源だったり、観光資源などいろいろありますが、そういうものをおおいに活用していこうということです。
ここでポイントになるのは、ただ単に「バイオマス発電をしています」で終わるのではなく、そこに住む人の暮らしと結びついていることです。ストーリーを作るのは大変ですが、これこそが「ローカルSDGs」。

高山
大企業はローカルにどのように関わっていくかですね。

森本
そうですね、ひとつ例があるのですが、警察も維持できないほどの小さな田舎で、警備会社が治安維持を請け負うとかもありますね。

高山
なるほど、公的な業務をはじめから請け負うというのはひとつありますね。高齢者人口がピークになる2040問題は公務員に課さられた課題でもあり、ここにビジネスチャンスがありますね。

森本
はい。「環境」と「経済」と「社会」の同時解決をするときに、今までは「社会」のところは「公」がやるのが当たり前でしたが、そうじゃなくてもいいですよね。そんなに大きく稼げないかもしれませんが(笑)。

高山
でも、大きくは稼げないけど、持続可能性はとても高いですよね。公的なサービスがなくなったらめちゃめちゃ困りますから。僕もせっかく民間企業に在籍しているので、新しいビジネスを作っていきたいなと思っているんです。

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サーキュラーエコノミーが「持続可能な社会」を実現する

高山
持続可能な社会の実現のために、森本さん自身が今取り組んでいることはありますか?

森本
今手がけているのは「森」ですね。Googleも買うなどして「森」は注目はされているのですが、ただ持っているだけだと意味がなく、きちんと管理されて木を健全に育てることが重要。しかしそのようにきちんと管理していても評価がまだ追いついてないのが現状なんです。抽象的にふわっとしたいいイメージはあるのですが、定量化で評価されるような仕組みを作りたいんです。そうするとビジネスにもつながりますし。他には、「地域カーボンニュートラルセンター」というのも手がけました。

高山
森本さんは現在に至るまで、これだけ色々なことに携わってきておられ、まさに必要な情報を教えてくれる人がなかなかいない中で、今、絶対的な存在だと思うんですよね。

弊社も、アウトソーシングは伸びることは分かってますし、デジタルトランスフォーメーションで今は黙ってても仕事はあるんだけれど、そこだけやってても、ただのITベンダーになってしまうので、将来を見据えてビジネスを立てておかないとって思っています。

森本
そう意味でいうと、今、日本では脱炭素ばかりが注目されていますが、ヨーロッパはちょっと違っているんです。脱炭素とサーキュラーエコノミー(循環経済)は完全にパッケージされていていて、全部あわせてDXを繋げるとものすごく付加価値が高まるよね、と。

高山
サーキュラーエコノミーは日本ではまだ一部ですよね。

森本
そうなんです。EUでは電池を作るときに、リチュウムの27%は、リサイクルしたものを使うと決めるとかあるんですよね。

高山
設計段階でルールをつくっているんですね。大事ですよね。

森本
ヨーロッパがなぜそのようなことをしているかと言うと、エネルギー的にも資源的にも自立してないので、それが心配だからです。

高山
日本だって同じですよね。

森本
そうなんですよ。同じようにみんなが危機感を持ってくれると、広がっていくはずなんですけどね。

高山
サーキュレーションエコノミーは弊社の次の課題にも入れていきたいと思います。

森本
そうすることで、さらに伸びしろができると思います。

高山
楽しみですね。ぜひ色々と連携させていただきながら、進めていけたらと思います。
本日は、ありがとうございました!

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