DI本部がめざす未来の方向性「サスティナブルな組織」とは?(前編)
トランスコスモスのSDGsの取り組みについて、各部門に聞いていく本シリーズ。今回はデジタルインタラクティブ事業本部(DI本部)の松久直広さんに、DI本部で実施している取り組みについてうかがいました。
■3つの領域で事業を展開
−-まずは、デジタルインタラクティブサービス本部(DI本部)の事業内容を教えてください。
大きく分けて、3つの領域の事業を行っています。まずひとつ目が、Web制作やメール配信などの、いわゆるウェブインテグレーションとよばれる業務。次に、アプリの制作やAPIを使ったシステム開発などの業務。そして3つ目が、SNS運用を手がけるコミュニケーションプランニングです。
−-幅広い事業を手がけているんですね。ずばり、事業部としてのミッションは?
私たちがめざすのは、「どんなチャネルからでも、生活者が必要としている情報を得られる」社会を作ることです。世の中に出回る情報は、Webサイトやアプリ、街の看板やチラシなど、さまざまな場所に散らばっていますが、現状ではチャネルごとに得られる情報に差があります。
「Webだけに掲載されている情報」「実店舗でしか見られない情報」みたいなチャネル感の差をなくして、どこからでも欲しい情報にスムーズにアクセスできる環境を作ることが、複数チャネルを扱っているDI本部のミッションですね。
■オペレーションからノウハウ販売へのシフトをめざす
−-今、DI本部が力を入れていることは何ですか?
これまで手がけてきたオペレーション業務からノウハウを販売する事業への転換をめざした取り組みを進めています。背景にあるのは「危機感」です。
−-どのような危機感なのでしょう?
Web制作の業務は、今後縮小していく可能性が高いんです。最近、どこかの企業の公式サイトって見ました? たぶん多くの方は、以前に比べて見る機会が減っていると思います。
企業としてもニーズの下がっているものに大きな予算をかけるのは難しくなっていくと思いますし、テキストさえ流し込めば簡易なサイトを作れるツールも普及しています。一方で、SNSが情報源として活用される機会は増え、企業とユーザーがどのように接点を作っていくかの戦略を描くことが重要視されるようになっています。
これまでに培ってきた強みを生かしながら、この流れに対応するために、単なる制作ではなくコミュニケーションのための戦略などを企業に提案していく方向にシフトすることをめざすことにしました。
■2、3年目の若手が新人研修を担当
−-方向転換をはかるには、人材育成も重要になるかと思います。その点で工夫していることはありますか?
DI本部のソーシャルメディア部門では、以前から入社2、3年目の社員が新入社員研修を担当していますが、これは若手の成長を後押しするという意味で一定の成果を発揮しているのではないかと感じています。
−- 具体的には、どのような研修を行うのでしょうか?
実際の企画案をその場で作るトレーニングをしたり、実際に自分の好きな企業を想定した提案を行ったりしています。そのほうが、外部講師が研修するよりも、自分ごととしてとらえることができますし、若手にとっても教える機会を通して新しい学びが生まれます。
また、ソーシャルの部門に限らず、新入社員には必ずエルダー(サポート役の先輩社員)がつくことで、困りごとなどを一対一でフォローできるしくみも用意しています。
■ダッシュボードでスキルを底上げ
−-そのほかに、知見やノウハウを共有するために実施している取り組みはありますか?
新たなダッシュボードのリリースを予定しています。Webのアクセスログやソーシャルメディアでの反応など、一般的に必要とされることの多い25の指標をまとめて見ることができるものです。このダッシュボード自体は、クライアントに提供するのではありません。私たちが提案を行う際に使うものと位置づけています。
−-ダッシュボードの導入は、どんな効果を期待してのものなのでしょうか?
DI本部では毎年約200人を採用していますが、その中には当然新卒の方も多く、全員がはじめからWebマーケティングのプロというわけではありません。誰が見てもわかりやすく、現在のマーケティングの課題を見つけやすくするダッシュボードを作ることで、スキルの底上げをはかり、より的確な提案ができるようになると考えています。
−-それ以外に、組織としての底上げのためにやっていきたいことがあれば教えてください
今後は事例の共有化にも力を入れたいと考えています。組織の規模が大きいために、自分が直接関係しているチーム以外の事例を知る機会がどうしても限られてしまうのですが、その障壁を越えられるようなしくみを作れたらと思っています。
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新たな取り組みにも積極的なDI本部。もちろん業務の方向性の転換や質の向上だけをめざしているわけではありません。後編では、働きやすい環境を作るためにDI本部が実施していることをご紹介します。
(後編はコチラ)