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第26回SDGsオープンラボ:医療崩壊はなぜ?医療DXとデータヘルスの今後。

みなさまこんにちは、トランスコスモスSDGs委員会 オープン社内報 副編集長ワダユウです。

今回は、2021年9月2日(木)にオンライン形式で開催された、SDGsオープンラボの2021年度第26回目について報告します。
今回は35名の社員が参加しました。

テーマは「医療崩壊はなぜ?医療DXとデータヘルスの今後」です。

日本は諸外国と比較して、新型コロナ患者が多くないにもかかわらず、感染拡大時には必ず医療崩壊が起こっていました。それはなぜでしょうか。

それは、こういった緊急時に「平時の」医療提供体制をとっているからといわれています。

・日本は病床数は多いが、中小病院が多数で、しかも高齢者医療対応で介護と重なる
・中核病院は「高度化」は進んでいるものの、コロナで必要なのはICUとエクモ

そしてさらに要因として重要なのが、
・⽇本病院会、全⽇本病院協会、⽇本医療法⼈協会の「病院経営定期調査」によれば、2018年6⽉の経常損益が⾚字の医療機関は53.8%にのぼる。
・⼈⼝⼗万⼈当たりの病院の数は世界⼀だが、医師の数が病院の数に⾒合っておらず、平時でもぎりぎりで運営している病院が⼤半
・⾼齢化社会の到来で医療・福祉の業界は成⻑を続けており、2017年の雇⽤者数は786万と増加
・医師も増えているが⾜りない現状

そして、
・医療タスクシフトも進まない
・そもそも、医療現場にICT活⽤が出来ていない。。。

医療リソースの不足は、医師の人数を増やすだけではなく、ICT活用やタスクシフトを進めていかなければなりません。

厚労省は、令和3年6月にデータヘルスに関する工程表を公表しています。
【データヘルス改革に関する工程表について(厚生労働省)】
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000788259.pdf

データヘルスとは、様々な医療情報を電子化し、ビッグデータ解析等を行うことにより効率的・効果的な医療を行っていこうというものです。

厚労省のデータヘルス改革は、こういった医療情報をマイナポータル等を通じて提供することで、より効率的な医療を目指していこうというものです。

各自の医療情報を閲覧することはもちろん、電子カルテなど各種医療システムの標準化やAI活用など、情報利活用やICT・先進医療に向けた施策も組み込まれています。

データヘルス改革で、実際の医療がどう変わるかについては以下の厚労省資料が参考になります。
【第8回データヘルス改革推進本部 参考資料(厚生労働省)】
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000788245.pdf

海外においては、日本よりさらにヘルスケアのデジタル化が進んでいます。
【海外のデジタルヘルスケアの事例調査(経済産業省)】
https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/shoujo/kenko_iryo_joho/pdf/003_03_02.pdf

資料2ページ目にもある通り、予防・診断・治療・予後という医療フェーズごとにサービスプレイヤーが存在し、必要な時に必要な医療が受けられるようになっている事例があります。

新しいテクノロジーの様々な研究や計画が進んでいる一方、医師の働き方改革への動きも加速しています。

トランスコスモスもその一環として、令和3年度総務省ローカル5G実証実験事業において聖マリアンナ医科大学様、NTTドコモ様、川崎市様とコンソーシアムを組み、視覚情報共有やAI解析等を活用したオペレーション工場による医療提供体制の充実・強化の実現を目標とした実証実験を行っていきます。
【トランスコスモス、総務省「令和3年度 課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」事業に採択】
https://www.trans-cosmos.co.jp/company/news/210916_0002.html

今回は、SDGs目標の3.すべての人に健康と福祉を、9,産業と技術革新の基盤をつくろう、10,人や国の不平等をなくそう、に深くかかわるテーマを学習しました。医療費が将来増大することが確実な中、いかにその増え幅をデータヘルスなどのDXで減らしていけるか、様々な民間企業がともに取り組んでいく必要がありますね。

この記事が参加している募集

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!