医療現場が抱える社会課題解決に貢献!〜デジタル技術を活用した救急医療の実証実験を実施〜
みなさん、こんにちは!
前回に引き続き、今回もトランスコスモスのDXソリューションを医療分野で活用した事例をご紹介します。
2024年4月に開始した医師の時間外労働時間上限規制と、都市部での慢性的な医師不足に対応するため、医療現場では業務の効率化と医療従事者の負荷軽減が急務になっています。そうした医療現場を取り巻く社会課題を解決するため、トランスコスモスのデジタル技術が色々な場面で活用されています。
逼迫した医療現場をデジタル技術で支える
トランスコスモスは、NTTコミュニケーションズ株式会社、聖マリアンナ医科大学、川崎市とともに、聖マリアンナ医科大学病院におけるローカル5Gなど先進技術を活用した実証実験を2022年から2年以上実施してきました。
医療現場には慢性的な医師不足や医療従事者の過剰負担をはじめとする様々な課題があります。特に、本実験が実施された川崎市は人口密集地帯であり、今後高齢化が進んだ際には救急医療が逼迫する可能性があります。
一方で、医療現場ではDXが十分に進んでおらず、医療行為以外の業務において負担軽減・業務効率化が進められる領域が多くあることもわかりました。そこで、5Gや自律走行ロボットなどの先進技術を活用した医療現場のDX化実証実験を実施。医師不足の解消や医師・看護師等の現場負荷の軽減につながるような技術活用を進めています。
医療従事者と患者の双方の負担を軽減
実証実験は「広域連携、遠隔診療、院内MaaS」の3テーマで行いました。
まず、「広域連携」ではキャリア5Gを活用し、救急搬送時に患者の映像を伝送し、搬送先の地域医療機関との連携を強化。患者の搬送・転送先の選定にかかる時間の短縮と、医療従事者同士のコミュニケーションの正確性・効率性の向上を図っています。360度カメラや医師の目線を投影できるウェアラブルカメラや4Kカメラなどを導入し、救急車と医療機関との情報共有を円滑にしました。
「遠隔診療」では、超高速通信が可能なローカル5Gを活用し、医療支援の遠隔化を推進しています。具体的には、内視鏡カメラや360度カメラなどの各種カメラを使用してリアルタイムで映像を転送。これまで上級医が現場で直接処置・診断を実施していた内視鏡検査や挿管手技などについて、遠隔で指示出しができるようにしました。これにより、上級医の負担軽減と稼働時間削減につながっています。
「院内MaaS」では、自律走行ロボットを導入することで、病室と検査室・リハビリ室間の患者の移動に際する医師や看護師の付き添い(聖マリアンナ医科大学病院全体で1日約1,500件)を減らすことができます。自律走行ロボットで患者が移動する際は高精細カメラなどを活用し、オペレーターが患者の安全を遠隔で確認。医師や看護師の負担を軽減するだけでなく、患者自身の負担軽減にもなっています。
これからもDXで「医療タスクシフト」に貢献
今回の実証実験によって遠隔で業務を遂行できる領域が大幅に広がり、 また、医療現場における書類作成などをアウトソーシングできる可能性も見えてきました。このように医師や看護師など専門職の業務の一部を他のスタッフに移譲することで、医療の効率性を高め、負担を軽減する取り組みを「医療タスクシフト」と呼びます。
高齢化社会における医療ニーズの増加や、医師の働き方改革などの状況において、今後ますます医療タスクシフトは医療提供体制を支えるための重要な手段になっていくでしょう。
トランスコスモスでは、これからもデジタル技術や先進技術の導入を活用したDXソリューションを提供することで、持続可能な医療体制の構築に貢献していきます。そして、事業を通じて社会課題を解決していきます。
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